2015年8月5日水曜日

えっ、台湾が中華人民共和国台湾省?!

【大阪市は台湾人女性に謝罪し、全容を解明すべきだ!】  

 大阪市発行の住民票に、台湾からの転入が「中華人民共和国台湾省から転入」と記入されていたことが、日本人男性と結婚している台湾人女性の訴えで発覚しました。下の写真の通りです。
  これに対して、当初は、訂正できないとけんもほろろの対応だった市、区役所が、私どもの問い合わせで、態度を改め、近く、住民票を申請した台湾人女性が、区役所を再訪し表記を訂正してもらえることになりました。  
 当然、「台湾から転入」とされるものと思います。  
 実は、大阪市は、国名に関する国の通達に従って、平成23年7月1日以降、「台湾」表記を認めていて、今回、抗議、問い合わせを受けて、改めて、全区に対して、届け出者の意向に従って台湾表記を認めるよう事務連絡をしたのです。  
 この問題、台湾人女性の訴えに、フェースブックや、ツイッターが反応したものです。問題の拡散に協力してくれた皆さんのお陰です。ありがとうございます。また、速やかに動いてくれた大阪市にも感謝したいと思います。  
 しかし、なぜ、こんな間違いが記入されたのか。市と区の言い分はそれぞれ食い違っており、判然としません。  
 市は「平成23年7月1日から、法務省の法改正に伴う国からの通達で、届け出者の意向に従って台湾表記を認めている」としていましたが、区の担当者は「国籍に関しては、台湾の表記が認められていたが、転入欄については台湾とするような市からの事務連絡はなかった」として、転入欄はずっと、台湾を「中華人民共和国台湾省」と表記していたことを認めています。  
 恐ろしいことです。台湾は「中華人民共和国台湾省」ではありません。かつて国(法務省)も台湾を「中国(台湾)」と表記した時期があり、現在も使われているようですが、それは台湾当局が自らを「中華民国」と名乗っているためで、「中華人民共和国台湾省」というのは明らかな間違いです。
 確かに中華人民共和国は、大陸を統治する政権で、台湾を自国の領土と主張していますが、中華人民共和国が台湾を統治したことは一度もありませんし、我が国が台湾を中国領土と認めたことも一度もないからです。  
 ところが台湾は「中華自民共和国台湾省」などという記述がずっと行われていたというのです。これでは、台湾は中華人民共和国の領土であることを大阪市が勝手に認めたのも同然です。  
 しかも、区は、なぜこうなったかのかについて、「当時の資料(誰が住民票を作成したか等)も残っておらず、担当者も変わっている。行政にミスがあったということではない。その点はご理解下さい」と私に語るなど、台湾人に謝罪する考えはないようです。  
 しかし、そんな子供じみた言い訳が通用するはずはありません。  訂正は大きな前進ですが、祖国を中華人民共和国とされ、大きな屈辱を味わった台湾人の女性にきちんと謝罪、同時に、大阪市は、ほかにも似たケースがないか調査し全容を解明するのはあたりまえでしょう。  
 大阪市だけではありません、我が国には、政治家にもマスコミにも台湾を中国領だとする中国の宣伝を真に受けたような、誤解があります。
 しかし、「台湾は台湾、中国は中国」です。台湾は「価値観を共有する大切な友人」(安倍晋三首相)というなら、国(総務省、法務省)も、表記で台湾の方が嫌な思いをすることがないよう自治体をきちんと指導すべきです。

 
☆ツイッターやフェースブックで、台湾人の方から、下記のような沢山の訴えをいただきました。
調理師免許や船舶運転免許、また、戸籍にも「中国」と記入されているというのです。
 なぜ、こういう問題が生じるかというと、ひとつには、台湾政府が自らを「中華民国」としていることがあると思われます。日本政府はこれを略して中国としてきたと考えられます。
 法務省によりますと、間違いを避けるため、中国ではなく、「中国(台湾)」と国籍を表記したこともあるようです。しかし、平成23年ごろからは、日本政府(法務省)は国籍を「国籍、地域」として、「台湾」を認めるとの通達を都道府県や市町村に行っています。ところが、今回の大阪のケースは、通達が徹底されずに、よりによって「中華人民共和国台湾省」とされてしまっていたわけです。台湾が中華人民共和国であるはずはなく、今回のケースは明らかな行政の間違いですが、法務省などの説明によれば、ほかの地域でも台湾表記が認められる可能性はあると思います。古い戸籍などの訂正が認められるののかどうかは分かりませんが、疑問をお持ちの方は自治体などに問い合わせてはいかがでしょうか。

〇 「2年前に日本の料理学校で勉強して、卒業したら、こんな中国籍の調理師免許をいただいて、悲しかったです。それで、区役所の職員に聞いてもしょうがないですねって、ただのいらない紙の一枚だと感じますが、出身地を台湾に変えることが可能でしょうか、教えてください。よろしくお願いします。ちなみに、地域によって台湾と書かれた地域もあるようです。  日本で十何年住んで、どこにいっても中国籍と書かれてとても不快感を感じました。日本で初めて自分は台湾人ではなく、中国籍の中国人だあと認識をせざるをえないです。 たまたまあの大阪の記事をみて載せてみようと考えました。 大学の時、中国籍と書かれても中国人の奨学金を申請できず、学校側に聞いたら、あなたは台湾人ですから、無理ですって」


 〇じぇふ@台湾で暮らす日本人の生活ブログ
 「中華人民共和国台湾省は論外だから良かったですね。 でも戸籍謄本の妻の国籍は中国だし、子供の出生地は中国台湾省なんですよねー。中華民国だから仕方ないのかなぁ。」

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